目次:
・冬物コートの生地
・メルトン
・モッサ[モッサ―]
・ビーバー
・まとめ
・参考文献
冬物コートの生地
メルトン、モッサ、ビーバー。これらは冬物のコートによく使われる生地です。
パッと見では違いがわかりにくいかもしれませんが、実は加工の仕方が異なります。
服の生地作りの工程は大きく3つ、「素材の違い」「作りの違い」「加工の違い」に分けられます。今回は素材と作りは同じで、最後の加工のみが異なります。表にまとめると以下のようになります。順に解説していきます。

メルトン
メルトンの作りは糸を平織りまたは綾織りに織ることでできています。そうしてできた生地に対して「縮絨」と呼ばれる加工を施し、完成させます。
縮絨とは:
紡毛織物を湿らせた状態で揉んだり叩いたりして、収縮させる行為を指します。縮絨を行うと生地の組織が密になり、けばが出ます。イメージ的にはニットを洗濯機で洗うのとほとんど同じです。「ニットを洗濯機で洗うと縮んで固くなる」と言われますが、あえてそうすることでメルトンの生地は作られています。
メルトン生地は基本的には起毛は行いませんが、これについては諸説あります。文献によっては起毛を行うと述べられていることもあります。
モッサ[モッサ―]
モッサの作りは、縮絨を行うところまではメルトンと同じです。
最後に起毛を施し、その毛を短めに刈り込むところがモッサ生地の特徴です。刈り込まれた毛がまるで苔のように見えることから「モッサ(苔)」と呼ばれています。
起毛とは:
布の表面を引っかいて繊維を掻き出し、それを切断してけばを生む加工を指します。
ビーバー
ビーバーの作りは、起毛を施すところまではモッサと同じです。
しかしビーバーの場合はその毛を長めに刈り込み、なおかつ寝かせます。こうすることでビーバーの毛並みに似た、強い光沢を持つ生地ができあがります。
まとめ
最初に掲載した表を再掲載します。3つの生地はいずれも紡毛織物である点は同じです。そこに、
- 縮絨のみを行ったのがメルトン生地
- 縮絨を施して、さらに起毛して短く刈り上げたのがモッサ生地
- 縮絨させ、起毛して長めに刈り込んだうえで、最後に毛を寝かせたのがビーバー生地
とまとめることができます。

